【BAスタンス】:違和感をそのままにしない
プロジェクトの中で、
「何となく引っかかる」
「説明はできないけれど、少し気になる」
そんな感覚を覚えたことはないでしょうか。
会議は進み、決定事項も増えていく。
特に大きな反対意見も出ていない。
それでも、心のどこかに小さな違和感が残る——。
多くの場合、その違和感は忙しさの中で流され、
「まあいいか」「あとで調整すればいい」と脇に置かれてしまいます。
しかし、後になって表に出てくる問題の多くは、
実はこの最初の違和感から始まっています。
違和感の正体①「暗黙知」
この違和感の正体の一つが、暗黙知です。
長年業務を続ける中で身についた
判断基準や前提、当たり前の考え方。
本人にとっては「説明するまでもないこと」でも、
他の人にとっては共有されていない。
業務をよく知っている人ほど、
「言葉にされていない前提」に気づきます。
しかし、それが言語化されないまま進むと、
後工程で認識のズレとして表面化します。
違和感とは、暗黙知がまだ表に出ていないサインでもあるのです。
違和感の正体②「定義のあいまいさ」
もう一つの正体は、定義のあいまいさです。
同じ言葉を使っているのに、
人によって思い描いている内容が微妙に違う。
会話は成立しているようで、実は前提が揃っていない。
たとえば、
- 「業務フロー」と言いながら、粒度が人によって違う
- 「対応する」と言いつつ、範囲の認識が異なる
- 「前と同じ」という言葉で、条件の変化が見落とされている
言葉は合っていても、意味が合っていない。
この状態も、違和感として現れます。
BAのスタンスは、違和感を問いに変えること
ビジネスアナリストの役割は、
違和感を感じた瞬間に議論を止めることではありません。
大切なのは、その違和感を問いに変えて場に返すことです。
- それは、どこまでを指していますか
- そう判断した背景は何でしょうか
- 暗黙の前提になっている条件はありませんか
問いとして言葉にすることで、
暗黙知やあいまいな定義が少しずつ表に出てきます。
この積み重ねが、後工程での手戻りや炎上を防ぎます。
違和感に気づけるのは、業務を知っているから
違和感は、誰にでも見えるものではありません。
日々の業務を理解し、現場の文脈を知っているからこそ、
「何かおかしい」と気づくことができます。
ビジネスアナリストは、
その感覚を個人の中に留めず、
構造として整理し、関係者と共有できる立場にいます。
違和感を無視しないこと。
それは問題探しではなく、
暗黙知と定義のあいまいさを解きほぐし、
プロジェクトを前に進めるためのスタンスです。
おわりに
後から振り返ると、
「実は最初に気づいていた」という声をよく耳にします。
違和感を、そのままにしない。
暗黙知を問いに変え、定義を揃えていく。
当社では、
こうした現場の違和感を起点に、
業務理解やニーズ整理につなげる
ビジネスアナリスト育成・伴走支援を行っています。
「違和感はあるが、どう扱えばいいかわからない」
そんな状態から一歩進みたい方は、
お気軽にご相談ください。


