なぜビジネスアナリストは“女性が活躍しやすい”と言われるのか

――12/1 BAかたりばで見えた、コンピテンシーの重なり――

12月1日、IIBA日本支部 主催の「BAかたりば」で、
【海外では女性のBAが多い!その要因を探る】 をテーマに議論が行われました。

米国では、ビジネスアナリスト(BA)の約46%が女性。
プロジェクトマネジャーの女性比率が約3割であることと比べても、
BAは女性が活躍しやすい傾向があります。

では、なぜ女性はBAとして力を発揮しやすいのでしょうか。
その答えは、BABOKが示す“基礎コンピテンシー”の中にあります。


■ 女性とBAの相性は「コンピテンシーの重なり」から見えてくる

BAに求められる力は、IT知識以上に 人や組織を理解する能力 です。
特に、BABOKが定義する以下の3つのコンピテンシーは、
多くの女性が日常の中で自然に発揮している特性と重なりやすい領域です。


■ 1. Communication Skills(コミュニケーション能力)

女性は、相手の表情や声の調子、間の取り方など、
“言語化されていない情報”を受け取る感度が高い傾向があります。

BAのヒアリングで最も大切なのは、
言われたことよりも 言われていない部分の意図を理解すること
この「丁寧に聴く力」は、BAの土台となるスキルです。


■ 2. Interaction Skills(対人スキル)

BAは、立場の異なる人たちの意見をまとめ、合意形成を支える役割があります。

女性は、場の空気や温度感を読み取りながら、
対話の流れを自然に整えていく力を持つ方が多いものです。

  • 対立しそうな場面を柔らかく調整する
  • 共感する
  • その場全体を安心して話せる空気にする

こうした振る舞いは、BABOKの「ファシリテーション」「関係構築」に直結します。


■ 3. Analytical Thinking & Problem Solving(分析思考)

細かな違和感に気づいたり、
物事を点ではなく流れで捉えたりする力も、BAに欠かせません。

  • 業務のどこが詰まりやすいか
  • 変更が誰に影響するか
  • 本質的な課題がどこにあるか

こうした思考は、女性の「観察力」や「全体を見渡す感覚」と相性が良いのです。


■ 「女性だから向いている」のではなく、「発揮している力がBAと重なる」

大事なのは、
女性であること自体がBAに向いているのではない
男性でも活躍されているBAもたくさんいらっしゃる
ということです。

むしろ、女性が日常の中で自然に使っている力が、
結果的にBAに求められる基礎コンピテンシーと重なっている―
そのことが、活躍につながっています。

BAかたりばでも、
「もちろん男性でもBAとして活躍されている人はたくさんいる。女性のように
ごく自然ではなく、意識的に実施しているかもだけど...」という声もありました。

当たり前ですが、その人がもっている資質やプロとしての心がけですね


■ おわりに

ビジネスアナリストは、組織の空気感や背景を読み取り、
言語化されていないニーズを拾い上げ、人と人の間に橋を架ける役割です。

女性が持つ特性と自然に重なる部分が多い職種だからこそ、
もっと多くの方に可能性を知っていただきたいと感じています。

当社では、企業向けに ビジネスアナリスト育成支援 を行っており、
未経験の方でもコンピテンシーから体系的に学べるプログラムをご用意しています。
ご関心があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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